蜃 気 楼


離さないからなんて言葉はまるで蜃気楼のように消え去ったのでした。

「じゃあ、先輩、」
「・・・あぁ」

のどが渇いてそれ以上言葉は出てこない。
それはこの暑い熱気の所為だけではないはずだ、と三上は思う。
分からない、ひょっとしたら、ただ水が欲しいだけなのかもしれない。

確かお互いを意識し始めたのも夏であり、こうして離れていくときも夏であるとは。
ただ違うのは、今は夜だと言うことだ。

離さないからなんて言葉を言ったばかりに今まで引き留めてしまったけれど、もっと早くこうなるべきだったのかもしれない。




「逃げ水だ」
「は?」
「あ、いや、この辺に水たまりがあったから誰かが水まいたのかなぁって思ったんですけど、」
「・・・あぁ、水たまり向こうにあるな」
「逃げちゃった」

「・・・あっつい」
「夏ですから」
「帰ったら多分渋沢がいるから部屋涼しいかな」
「涼しいんじゃないですか、俺そこお邪魔しようかなー、多分誠二部屋にいないもん」
「じゃあ渋沢追い出して」
「・・・何で」
「暇だし」
「暇つぶしに俺の体力を奪わないで下さい」

「うん、じゃあごめん」
「じゃあって何ですか」
「好き」
「・・・・・・心臓に悪」
「好きだからさ」
「だから何!」




暑さが温むと不安になった。
自分が落ち着くためだけに、落ち着かせるふりをして離さないからなんて言ったんだ。

『好き』と同意語だなんて思ってたけど。

忘れますと言われたときに
そっちの方が『好き』に近いと思った。




離さないから なんて
どうして言ったの

絡めあった汗は お互い 残ってるはずもなく

埋めずに居れるほど 強くない よ ね ?


過ぎる姿を振り払い

溺れるように 求めた




暑い

    夏 の






          蜃気楼

 

 

 


折角綺麗な詞をつけていただいたのですがそれなりに最悪な出来です。
後の方の「離さないからなんて」、てトコから以降詞を下さったのですが妙な字の配列をしてしまいま死た。
多分裏切りましたね。すいません
三笠です。別れるの?これ(詞)笠井サイドで書くべきじゃ・・・
蜃気楼って見たことない。

030325

 

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