h a p p e n


「っ・・・笠井、今日中西の機嫌が最悪に見えるんですけど」
「最悪ですよ」
「な、なんで」
「・・・三上先生が高校の内科検診なんか行くかよって蹴った仕事が辰巳先生に回るぐらい分かりませんか?」
「あ・・・」
「はーいそろそろ開院ですよーお医者さんは診察室に控えてて下さーい」
「助けて!」
「知りません」

ナースは助けを求める医師を診察室に押し込んだ。
おはよーございます、とやる気なく挨拶してくれるのは笠井の先輩。

「・・・は・・・はよ」
「ちゃんと笠井にお別れの挨拶はした?」

にこり、と白衣の天使は微笑んでみても、三上には恐怖しか与えない。

「な、中西ちょっと待て・・・」
「別にィ?辰巳だって仕事だからしょうがないとは思うけど?」
「・・・・」
「でも俺のためなら三上が行くべきだったよねv」

自分の為に自分が行くべきだったと三上は今更後悔した。

 

 

「あら、先生顔色が悪いんじゃありません?」
「大丈夫ですよ三上先生寝不足なだけですから。困りますよねー医者の不養生なんて」
「・・・・」

中西の笑顔に三上はなんとも言えない。じりじりと中西から発せられる何かは強くなるのに、それは確実に三上だけを追い込んでいく。中西は相変わらず限りなく自然体の営業スマイルだ。ナースは笑顔でなくてはいけない。

「じ・・・じゃあ薬出しておきますから薬局で。お大事に」
「お大事に〜」

患者が出ていった途端中西は大きな溜息を吐いた。三上がびくっとおびえる。

「・・・な・・・中西」
「は───い?」
「・・・わ、悪かった」

はんっ、鼻で笑って中西は診察台に腰掛ける。

「何のことですか?センセv」
「中西〜!」
「・・・次の患者さん入れますよ、女王様」
「やだなぁ笠井まで。ほらセンセしゃんとして!」
「・・・」

 

 

 

「という具合でなかなか楽しめました」
「・・・そうか」

確か笠井は三上と付き合っていたような気がしたが、いまひとつ自信がなかったので辰巳は特に確認もしなかった。
三上が仕事を蹴ったときにたしなめることはなかった。もしやこの展開を期待してだろうか。
廊下をすれ違った患者に挨拶をしながら診察室へ向かう。
辰巳もとりあえず中西の怒りが自分へ向いていないのならそれに越したことはない。

「あっ、」

ぐいと白衣の裾を引っ張られて辰巳は振り返った。
見たことのある、というよりも昨日見た制服の女の子がじっと辰巳を凝視する。

「やっぱり!昨日うちのがっこー来たセンセーだよね、うちのこと覚えてる?」
「いや、ひとりひとりはちょっと。行ったよ、診断に」
「だよね〜、珍しくかっこいいセンセー来たからみんなで騒いでたんだよー。触り方エロいってみんな言ってた」
「エ・・・」
「でもセンセーだったらもっと触ってもらいたいかもー。また来てね!」
「・・・」

辰巳はちらりと笠井を見たが、涼しい顔で視線を返される。
これか。とりあえず笠井が三上を好きだということは分かった。
それは既にどうでもいい、診察室前から睨みを効かせてくれる中西をどうしてくれようかと辰巳は冷や汗をかいた。

 

 

 

「・・・おう辰巳、お前も朝っぱらからお疲れじゃねーかあぁ?」
「三上・・・俺に当たるな・・・。もう女子校の検診なんか行きたくない・・・」
「えっまじでっ、お前女子校行ったのっ!?」
「・・・あぁ」
「まじでー、俺行きゃよかった」
(・・・笠井計算済み・・・)

 

 


・・・今更ですが携帯に入ってたので無理に終了。もうオチ忘れた・・・
どこにおけばいいのか分からなかった・・・

 

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送