06:親友と恋人


「優先順位は?」
「親友」
「…せめてもうちょっと迷えよ」
「…」

そうは言われても、とっさに結論は出てしまったのだ。
真田は困って三上を見た。露骨にはそうしないが不機嫌なのだろう、思わず逃げ出したくなる。

「そ…そーゆー三上はどうなんだよ」
「真田」
「〜〜〜…」

名指しするな!カッと瞬間的に体が熱くなる。その反応がお気に召したのか、機嫌は若干治ったようだ。

「つか、そもそも親友ってのがよくわからん」
「いねぇの?」
「ん〜…小学校とかいっつもつるんでるやつはいたけど、俺がこっち来てからさっぱりだしな」
「ふーん…」

真田はそっちの感覚の方がわからない。
性格故に学校での親しい友人は特にいなかったし、今となっては親友ふたりがいない自分は想像しがたい。それほどまでに時間を共用してきたのだ、天秤にかけたところで傾く方は知れている。
そのことを三上にもわかって欲しいのだがうまくいかないようだ。

「…三上はなんで俺が優先って断言出来んだよ」
「…何?そんなに俺の愛を確認したい?甘えたいなら素直にそう言えよ」
「違、うッ!!」

体当たりみたいな勢いで後ろに倒され、背中からの衝撃に息を飲む間に三上が上から押さえ込んだ。

「…おい」
「お前何年あいつらといんの?」
「は?」
「その親友様と」
「…」

らしくない三上の表情に戸惑い、黙っていると顔を寄せてきたので慌てて引きはがした。

「はっ、8年ぐらい!」
「8年?…8年な」
「な、なんだよ」
「8年後に同じ質問するからな」
「……そしたら英士と結人16年目じゃん」
「………」
「あっ ちょっ、バカッ触んな!!」
「お前は一生勝たせてくれないつもり?ただでさえ2対1で不利なんだからこれぐらいのハンデいいだろ」
「だ…だからって…」
「イヤなわけじゃないんだろ?」
「ぎゃっ…!」

 

 


わたしは親友ってなんだっけと言う人です。
ちゃうよ、友人との境目がわからんだけよ。

050417

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