「――――やっぱり行かない」
「何?」
「どうせ結婚なんてしないから行くだけ無駄だ」用意された服を見て顔をしかめる。もう正装なんて長いことしていない。
「今更何を言うんだ、自分勝手な」
「息子閉じ込めてあんたが言うか。だからあんたの息子はホモだって言ってんの、女の子に興味はないよ」服を椅子にかけて笠井はソファーへ向かった。座り込んで新聞を広げる。
「竹巳」
「竹なんて名前につけるからこんな育ち方したんだよ」
「竹?」
「…竹は地面の中で広がって根を張っていくから、一度根付いたら取り除くのは大変なんだって」そう言ってあの人は褒めてくれた。いい名前だと。
「…先輩がいないならどうなっても同じだ」
「馬鹿なことを言うな」
「父さんの妹は、父さんの言うことをよく聞くいい子だった?」
「!」
「俺はあんたの妹じゃねぇよ」会いたくて泣きそうになる。呼ばれたい。触りたい。
「――――お前が本気だとしても、相手がどうだかわからないだろう」
「…何回泣かされたっていいよ俺は」泣かない。
ここでは絶対泣きたくない。「あの人が俺のこと嫌いになるならそれでいいよ」
「竹巳」
「あんたの言うこと聞くぐらいならあの人に死ねと言われて死んだ方がましだ」
「竹巳!」
「――――嘘だよ。先輩がそんなこと言うわけない」ふつりと気が緩んだ。
一体いつから会ってないのだろう。まだほんの数日である気はするけれど。
…もう負けでいい。俺の負けでいいから。「…お願いだから先輩に会わせてくれませんか」
あんたにお願いをするのは2度目だと知ってるだろうか。1度目は聞き入れられなかったけれど。
零れた涙を見ても父親は表情を変えなかった。いつもそうだ。苦しくて涙が止まらない。「お前は私の言うことを聞いていればいい」
「それで母さんは幸せなの?」
「何?」
「俺はあんたの言うこと聞いててよかったことなんて何一つないよ。…あぁ、でもピアノは感謝してる。先輩が褒めてくれたから」会いたい。どんなひどいことをされてもいい。
「…泣くのをやめろ、みっともない」
泣くのはやめない。止まらない。
涙は新聞を濡らす。テレビ欄の俳優に三上という女性を見つけた。それだけでも悲しくなる。
…来客を知らせる呼び鈴が鳴った。父親はためらって玄関へ向かう。「はい、」
「あ、笠井さん先日はどうも。三上です、竹巳さんはご在宅でしょうか?」
「…君には会わせない」
「――――だってさァッ、笠井ッ、自分で出て来い!」
「う…せ、先輩のあほッ、タイミング悪いんだよあんたッ」声だけ玄関に飛んでくる。三上はなんとも言えずに苦笑した。
それでも次の瞬間、一瞬だけ父親を睨む。「なんであいつ泣いてるんですか?」
「…関係のないことだ」
「あ、そうですか?じゃあ俺が関係ないなら泣かせたのは笠井さん?」
「何?」
「滅多に泣かないから、泣き出したら止まらないですよね。子どもの頃とか困ったんじゃないですか?」
「…あれは泣いたことなど、殆どない」
「へえ…竹巳!いいから出て来いよ!」
「駄目 もー最悪!」
「なんだよ顔きたねーぐらい今更じゃねぇか」
「ちっげーよ馬鹿!あぁもう、折角我慢してたのに!」声が小さくなってもう届かなくなった。しばらく玄関でふたりは対峙する。
「…今日はお引き取りを。これから出かけますので」
「あぁ、それは失礼しました。ではいつならご都合つきますか?」キィ、ドアが軋んで奥から笠井が出てくる。用意されたフォーマルな服装のネクタイを締めながら、鼻をすすって。
「よぅ男前」
「どうも」
「何処行くの?」
「見合い」
「そりゃまた思い切ったな、その仏頂面で」
「…誰のせいですか」
「俺がいるのに?」
「――――浮気みたい?」三上から少し離れたところで笠井は足を止める。ふたりが手を伸ばしても届かない位置。
そこで真正面から三上を見つめて。「ちゃんと話して俺から行きます」
「あぁそう、じゃあ俺がジジィになる前に頼むわ」
「保障できませんけど」
「俺ちょっとこれからうちに帰らないから、ついでに携帯ぶっ壊した。あちこち行ってるけど中西に連絡先教えとくわ」
「はい」
「それじゃあお邪魔しました。…お前見合いってんならもーちょい顔どうにかしろよ」
「今から整形じゃ間に合いません」父親に会釈して三上は出て行き、ドアが閉まる瞬間まで見送って笠井は壁に寄りかかる。
力が抜けた体で、じっと手の平を見下ろした。「…何故あの男はふらふらしてるんだ」
「お父さんの講演会に付き添うって言ってたよ」
「……」
「あー…駄目、無理」ごめんね父さん。
そう言われてはっとして顔を上げたときには笠井はもう服を脱ぎ始めている。「竹巳」
「無理。卑怯だよなぁいきなり来るの、狙ったように」
「竹巳」
「――――父さんは、」振り返った笠井に戸惑う。いつの間にこんな表情をするようになったのか。
「人に触りたいと思ったことない?」
「……」
「俺は先輩に触りたい」髪も頬も肩も指先も。
いっぺんに全部手の平に収まるほど彼が小さければいいのに。「今は、触れたけど。触ってたらこのまま家飛び出してたしね、そんなの母さんが可哀想じゃない?」
暗に他の意味を含ませて。
誰かいらっしゃったの、母が奥から出てくる。「――――やだ、竹巳どうしたの?」
「あー、うー、ちょっと…」
「やぁね、もう。二十歳前の立派な男の子が」
「我侭言って泣いてる未成年の息子に見合い話持ってこないでよ」笠井が笑い、母親は少しためらって笑い返す。
自分より背の高い息子の頭を撫でて。「ごめんなさい。でも先方に失礼だから、会うだけ会ってくれないかしら」
「…うん。母さんが言うならね」
「ありがとう」息子のネクタイを結びなおし、綺麗に化粧をした母は笑った。
もうとっくの昔に身長は追い越してしまっている。老けたな、と思う。「…俺結婚するなら母さんとだな」
「まぁ嬉しいこと」
「父さんには勿体ないね」
*
「あーもう笠井帰ってこないね」
「…ヤッパリ?ヤッパリ?」
「無理矢理引きずって帰って来ればよかったじゃない」頭を抱えてうめく三上の頭を、中西は優しく撫でてやった。
でも、とぶつぶつ続けているのはもう聞かない。三上が優しいことは知ってる。「あんたんちみたいな家じゃないのよ。笠井んちもやりすぎとは思うけどね」
「……」
「見合いねぇ、笠井も二十歳前だし相手もかわいらしーお嬢さんかなぁ。女子高生だったらどうする?」
「……」
「こりゃもうお父様に無理矢理結婚させられて終わりだな」
「……か……」かさい。
三上が嘆くのを中西は撫で続けた。(…苛めすぎたかな。でも、)
現実ってそんなもんよ。
*
「笠井君」
「……」
「笠井竹巳君だよね、サッカー部だった」
「はい。…俺のこと?」
「知ってます。武蔵森サッカー部有名だし、笠井君もててたから」第一印象はまずまず、じゃない俺。
意識して笠井は笑う。対三上用にしか咄嗟に笑顔は作れない。応援するような視線を見合い相手に向けたってしょうがないだろう。「あたし何度か試合見に行ったんですよ、凄い偶然」
「そうですね」相手側の親が満足げな表情だった。ちくりと心が痛む。料理の味はわからない。
(つかナイフの持ち方忘れてるなァ…)
「今は?サッカー」
「趣味程度、たまに藤代に誘われて」
「まだ藤代君と仲いいんですね」
「あいつも相変わらずですから」
「渋沢さんとか三上さん、…あ」
「…知ってました?」
「…あの」彼女がためらうのは、知っているからだろう。
親が不思議がるのを彼女は少し焦った。それを見ながら料理の手を止める。「外へ行きませんか?」
「あ、はいっ」自分と同じ年だと紹介された。小柄な体はこの日のために着飾られ、ここしばらく縁のなかった感覚。
親同士が談笑し始めている。主に、自慢を含めた父親同士の。「…あの」
「俺と三上先輩が、って噂でしょ?」
「……」綺麗に整備された庭をふたりで歩く。べたなお見合いになっていて笑えた。
「どう思う?」
「え、」
「俺と先輩」
「…仲、いいなとは思ってたけど」
「ほんとはよすぎた」
「……」
「…ごめんなさい、今日巻き込んで」
「え?」
「見合いなんて口実なんだ、父さんが俺と三上先輩を認めてくれなかっただけで」彼女は流石に口を閉ざした。
噂は噂、と思っていたのかもしれない。少しぐらい期待をさせたかもしれない。「…俺はあの人の隣にしか立てない」
「好きだったの」
「…」
「あたし、三上先輩のこと」
「…うん」
「かっこいいよね」
「そうかな」
「意志が強くて」
「マザコンだけどね」
「優しいし」
「どの辺が?」
「…笠井君には、三上先輩はどう見えてるの?」
「絞め殺したくなるほど寝起き悪くて家族第一で優しいふりして酷いことする」
「…ふーん、」
「…でもかっこよくて強くて優しいんだけどね」
「――――断っとくね」
「え?」
「相手から断られたなんて不名誉じゃない?」そう言って笑う彼女は綺麗で、あぁ、三上先輩さえいなきゃなと笠井は思った。
だけど今更そんなこと考えられないのだ。もうあの安らぎを知っている。
*
「父さん」
「…なんだ」
「夜中に起きてAVとか見ていい?」
「……」
「なんてね。父さんは見たことある?」
「…そんなもの」
「だろうね」笑いながら笠井は部屋へ向かう。タイを捨て上着を捨て、それらを床に落としながら。
「――――先方から断られた」
「あーそう」
「何か言ったか?」
「何も。ふたりで三上先輩のかっこよさについて語った。先輩のこと好きって人何人も見たけど、ほんとに先輩を見てた子は久しぶりだな」
「…どうしてわからないんだ」
「どうしてわかんないの?」父親に反芻する。でも笠井はわかってもらうことをもう諦めてきている。
理解してもらえなくてもいい。解放さえしてくれれば。「父さんのは俺に何をわかってほしいのかわからない。女の子が可愛いことなら知ってるし、俺と三上先輩が世間に通るような関係じゃないことも知ってる」
「…じゃあどうしてあの男なんだ」
「知らないよ」
「……」
「強いて言うなら、俺はあの人に助けられたから。だから今あの人が俺がいいというなら傍にいるし、いらないと言われたら離れる。もしかしたらそのあと女の子と付き合うかもしれないけどわからない」
「…どうせ別れることになる」
「ならそのときまで一緒に」
「頑固な、」
「誰かに似たんだよ。…妹は頑固じゃなかった?素直にあんたの言うこと聞いた?」
「――――」
「…俺ね、別に父さんのこと嫌いじゃないんだよ」
「…」
「三上先輩自分で言うんだよ、似てるって。子どもにホモだってカミングアウトされたら笑ってられる自信ないって」
「――――なんで言い出したんだ」黙っておいてくれれば。
「…黙ってたら、何も変わらない。全部を言った方がいい?」
「……」
「…死のうと思ったことあったんだよ、なのに、あの人が好きだなんて間抜けなことを言い出すから。そのせいで全然関係ない人に殴られたことだってあったんだよ」
「聞きたくない」
「ほら聞く気がない。俺は出ようと思えばこの家を出れるんだよ」
「子どもが何を言うか」
「…俺はあんたの妹じゃないよ」
「…」
「いつまで子どもでいればいいのさ」
*
「あれ、笠井さん」
「……」
「あー、笠井さんはとても常識的な方だと伺ってましたがシカトされるほど俺の印象は薄かったですか。無視したくなるほど憎らしい奴だと重々承知の上で言ってみてるんですが」
「…何の用だ」
「笠井、食べてますか」
「…」
「あ、いや、あいつ不機嫌になるとすぐに部屋に閉じこもって食べなくなるじゃないですか」
「…どうして不機嫌だと?」
「…あ、そうですね。俺が落ち着いてないから勝手に」どうしてこんなところで。体面上顔をしかめることはしない。
友人の演奏会に出席するためにきたホテルで、場に似つかわしくないジーンズ姿の男。へらっと笑う様が気に障った。「…不機嫌なのは俺かもしれません。ここのところ、笠井の姿を見ないから」
「…そんなに他人のことを思えるか?」
「……」
「――――」
「あ、すいません…不思議なこと聞かれますね」
「何?」
「奥さんだって元は他人でしょう?」
「…」
「だけど想ってるから結婚したんじゃないんですか?」
「――――偉そうなことを言うな。世間知らずが」
「一応うちの親の言葉なんですがね。…いくらあなたでもうちの親けなすつもりなら許せませんよ」
「そういう立場か?」
「下手に出て笠井がもらえるとしてもそんなことはしません」
「――――諦めてくれ」
「…笠井が納得してるなら諦めます。直接あいつの口から聞かせてくれたら」
「……」真っ直ぐな視線。さぞかし女にもてるのだろうと思った。
――――どうして竹巳なのだろう。アンバランスなふたりだと思うのに。「…君は、ここで何をしているんだ」
「あぁ、父親の付き添いで。獣医やってるんですけど、母校で講演会に呼ばれたとかで。病院は姉がいますから」
「付き添い?」
「たいしたことはしてません、荷造りと道案内ぐらい」
「…そんなことを息子にさせるのか」
「まぁ、俺も情けないとは思いますけど。でもなんだかんだ言い訳つけて、結局はお互い会いたいだけなんですけどね」
「…君は、病院は継がないでサッカーか」
「あー…病院は、継げたらよかったんですけど。動物は好きだけどとても手術なんか出来ないし。俺は小さい人間だから、命を扱うのは怖いんです」
「動物だろう」
「命でしょう。サッカーもプロになる気はありませんし」
「何故」
「色々考えて、ずっと昔から諦めてたことに最近気付きました。…要因のひとつは笠井だったんですけど」
「竹巳?」
「もしプロになったら、別れた方がいいのかと思って。迷惑かけそうだし会えなくなるから」
「そんな理由で?」
「おかしいですか?」
「…冷静だな、君は」
「はい?」
「なんだかんだ言って、竹巳と切れたいんじゃないのか?」
「…それ笠井が言いました?」
「…いや」
「あ、なんだ。やっぱり親子ですね、あいつが言いそうなことだったから」
「…」
「切りたいなら本当のことを言います。笠井を侮辱するような嘘は吐きません」自分はきっとこの男を許すことはない。
…許すとは、この男が悪いことをしたかのようだ。したのか?
わからなくなっていた。許すことはないが認めるかもしれないと。「…近日中に返事は出ませんか」
「始めから出ているだろう」
「…あなたは笠井をお姫様のように扱いますね」
「…」
「あなたは頭の固い執事のように、言うことを聞かせようとする」
「失礼だな」
「人の話も聞かずに追い返すのは失礼ではないのですか」
「時と場合によるだろう」
「それは初耳です」
「君は」
「俺はあなたを責めるつもりも殴るつもりも刺すつもりもない」
「…」
「――――すみません、調子に乗りました。…笠井の様子を聞きたかっただけなのに」溜まってンなァ、三上が小さく呟いた。途方に暮れた表情だ。
「…君と私が似てると言ったらしいな」
「え?…あぁ、俺も子ども出来たら可愛くてしょうがないだろうと思うから」
「…」
「笠井、食べてます?」知らなかった。
*
「…課題…三上先輩のとこじゃん…」
夏休みが終わってしまう。笠井が嘆いた。
ソファーにだらしなく寝そべり、新聞の文字を目で追っている。「――――お前、何も食べてないのか」
「…暑いから食べる気しないんだよ」
「竹巳、」
「竹巳、中西さんって方からお手紙」
「手紙?」起き上がって笠井が封筒を受け取った。妙にファンシーなのは何の意図があるのだろう。中学の頃貰ったラブレターのようだ。
父親が気にしてくるのを無視して開封する。一行目から中西のからかいの言葉で始まって思わず笑った。
囚われのお姫様へ、酒盛りのお知らせ。(未成年のうちに堂々と…)
「何の手紙だ」
「先輩から。…同窓会、みたいなもん。心配しなくても三上先輩のことは悪口しか書いてない。あいつはろくでなしだから俺に乗り換えろって。…そんな怖い顔しなくても中西先輩にもちゃんと相手いるよ。因みに三上先輩はこないらしいけど行ってもいい?あ、駄目、駄目ですね。返事するから電話使うね」変な家――――笠井が呟く。
「――――あ、中西先輩ーどうもー。手紙着きました。…え?何、俺既に欠席決定してんじゃないですかそれ。…そうですけど。はーい、…三上先輩にですか?えーと、あ、課題」
*
「こんにちは宅配便です」
「あ、何か怒ってる」
「怒ってるわしばらく距離を置こうって言ったのはあなたじゃない」
「キショッ!!」
「…ほらよ!」笑顔で荷物を受け取る笠井に、三上は顔をしかめた。先日少々やりあった彼の父親はさっきから見え隠れして、知らずに冷や汗をかく。
おまけに目の前には無防備すぎるほどの笠井。このまま腕を引いてどこかへと走り去ろうか、なんて流行らないドラマのようなことを考えた。「多分それで、全部」
「なかったら困ります」
「まず礼を言え。ったく、人んち物置にしてんじゃねーよただでさえ狭いのに。お前が藤代から借りた漫画もごっそりうちにあるじゃねーか」
「あ、返しといて下さい」
「…なんて優しい俺。ご褒美もないのに」
「…いる?」
「…今貰ったらやばいから今度貰う」
「…帰る?」
「おう、」
「三上君」離れかけた三上に一言、声が飛んだ。はい、と返事を返すが声が裏返る。
「上がっていきなさい、話がある」
笠井を見ると、笠井の方もあっけに取られて三上を見ていた。結局話し合いはしてないらしい。
*
「…また父さんは勝手に決める!」
「じゃあお前は勝手じゃなかったとでも言うのか」
「いちいち親の許可とってからセックスしろって!?」
「言ってねーから落ち着け」
「だってッ……」三上になだめられて笠井はおとなしく座りなおす。
父親の出した条件は、笠井を1年留学させて帰国後の互いの気持ちで判断するというものだ。「絶対やだ」
「俺はいいです」
「先輩ッ」
「1年ぐらい、…………」
「不安要素たっぷりじゃんッ」
「ッ!」三上の頭をどついて笠井が部屋に逃げ帰る。予想外の衝撃に、油断していた三上はしばらく悶えた。
「…ありがとうございます」
「…?」
「正直このままかと思ってて」
「……」
「1年待てばいいなら待ちます。…不安があるとするなら笠井の浮気ですけどね」
「何…」
「東洋人って割とウケるらしいですよ、うちの兄が一度掘られ、じゃない惚れられて」
「……」絶句する父親に三上は思わず笑った。…この程度の攻撃は許されるだろう。
「わかってないんですね」
「…何が」
「俺はあなたの代わりですよ」
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