打倒武蔵森!
そういい続けて続く練習。
勝負は時の運だけじゃない。
み ら い
近所では5時に鐘が鳴る。それが鳴ったら帰ってこいと口を酸っぱくして母親が言うにも関わらず、弟はすぐに帰ってこない。
(めんどくせぇ…)
母親は夕食の準備で父親はまだ帰らない。必然的に自分が迎えに行くことになる。いつもどこで遊んでいるのかさっぱり見当がつかないから面倒なのだ。
「おおーっ!」
「ん」噂をすれば影、だろうか。始めに目星をつけた公園から弟の声がする。
「すげーっ100回いった!」
サッカーボールが高く蹴り上げられた。それを反射的に目で追って、落下地点に弟と、知った顔がふたり。
(武蔵森…!)
何故こんなところに。夢にまで見る憎き武蔵森のレギュラー、三上と辰巳。思わず公園の入り口で硬直した。
「俺リフティング出来ねぇ」
「練習あるのみだな」辰巳が弟にボールを渡した。きらきらと目を輝かせて背の高い辰巳を見上げている。あの目は知ってる。テレビのヒーローへ向けるのと同じだ。
「────健太ッ!帰るぞッ!」
「あっ、にーちゃん」
「5時には帰ってこいって言ってるだろ!」近づけない。あそこへ行けない。
勝ちたいと思う。強く強く思うのに、前にすると戸惑う。どうせ向こうは自分のことを知らないだろう。それなのに。「おー、あれがお前のにーちゃんか」
「そう!ケチだからサッカー教えてくんねーんだぜ」
「へー」
「けっ、健太!」三上の視線。グランドで見た厳しいものとは違う。自分の弟へ向けられているのは優しい目だ。
「おにーちゃん、サッカー強いの?」
「えっ…」
「にーちゃん強いよ!今度はむさしのもりに負けないって」
「!!」さっと血の気が引いた。何で知ってんだこいつ!
辰巳がそうか、と弟の頭を撫でる。俺も弟ほしいなぁ、なんて三上がぼやいた。「ほら、帰れよ」
「また遊んでくれる?」
「はは…また近くまで来ることがあったらな」
「約束!」苦笑しながら辰巳は指切りをした。三上が笑いながらこっちへくる。
「…国分だよな?洛葉」
「!」
「お、当たり。────待ってんぜ」
「え…」
「俺お前らとまたやりてぇし」
「……ッ…」
「ところで武蔵森どっちかわかるか?」
「は?」
「迷子なんだよ。…あっ、俺じゃねーぞ、辰巳が!」なんだか拍子抜けする質問にぽかんとしてしまった。
いやぁあの弟には聞けねぇじゃん、おにーちゃんがすりこんでくれてるようだし?三上はにやりと笑った。
何が書きたいかという以前に国分が書けないって…!
主役は健太。なんか他誰でもいいよね…やな感じですいません…050209
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