身 長 差


「中西!」
「あらオハヨウ辰巳。朝っぱらから息が切れるほど走ってまでして俺に会いたかった?」

珍しく中西が朝早くから食堂に顔を出していると思えば、例によって何もなしではすまないらしい。
いつもは制服に着替えてから食堂へくる辰巳は今日は起きたままの格好だ。

「俺のシャツ返せ」
「貸して」
「嫌だ」
「・・・実はもう着てたりして〜」

ニヤリと笑いながら中西は着ていた上着の前を開けた。
しわが!
怒るのはそこでいいのか辰巳。
これがやりたいがために中西は今日絶対起こすよう言ってきたんだろう。根岸はこれ以上のとばっちりを恐れて朝食のペースをあげた。

「いいじゃん別に」
「予備がないんだ」
「俺の貸したげるよ」
「嫌だ」
「いいじゃんどうせ俺とサイズ一緒だし」
「あのな・・・」
「辰巳先輩おはようございます・・・どうしたんですか?」

笠井に声をかけられ、辰巳は自分が道を塞いでいることに気が付いた。
その後ろに不機嫌そうな三上がいるがそれはいつものことだ。

「笠井おはよー」
「おはようございます。先輩今日は着替えてるんですか?」
「辰巳のーv」
「・・・・」

成程、朝から辰巳が疲れていた理由が分かった。
面倒臭そうに顔をしかめ、三上は中西の前に座る。

「いーじゃん別に、シャツぐらい。パンツとかだったら引くけど」
「だよねー、心狭いよ辰巳」
「・・・誰に貸してもお前にだけは貸したくない」
「失礼ね、何もしないよ」
「・・・あっ、シャツで思い出した。誠二」

少し離れた場所で先に朝食を摂っていた藤代が皿を持って笠井のところまで来る。
何〜?と能天気な親友を、こなくていいから、食べながら歩くな、行儀悪いと諭す笠井は母親のようだ。

「お前昨日洗濯した?」
「・・・あ、してないかも」

笠井は溜息を吐いた。
松葉寮では洗濯は基本的に各自で行う。しかしひとり一日分は大した量ではないので大抵はルームメイトと一緒にと言うのが多い。

「どうすんだよ、俺シャツの予備ないんだけど」
「俺の着る?」
「・・・悔しいけど誠二のでかいんだもん。いいよ昨日の着るから」
「あーらら。笠井も大変ね」
「三上に借りればいいだろう」
「は?」
「だってサイズ一緒だろ」
「・・・そうなの?」
「うん。身長3センチ差だし」
「・・・・」
「セーター着てればイニシャルも見えないし。三上予備あるだろ」
「あるけどよ・・・」

なんとなく三上は不機嫌だ。
屈辱、なんて呟くのを笠井は無視する。

「あ、それかさー、いっそ俺の貸したげようか」
「中西の?」
「かなりでかいじゃないですか」
「いいじゃん。俺今日辰巳の着るし」
「だから返せって」

うっかり話題を戻してしまい、中西はしまったと呟く。表情とは一致しない。
根岸が先にいくと声をかけて行ってしまった。

「辰巳も早くご飯食べないと遅刻よ」
「誰のせいだ。いいから脱げ」
「あらなんか嬉しいセリフ」
「・・・・」



結局彼らがどうしたのかは知らないが、笠井は体育時にイニシャルがばれたとか何とか。

「・・・中西、今度お前のシャツ貸して」
「三上がでかくなれば良いんじゃない?」
「嫌味か」

 

 


身長差・・・がね、辰中だと分かんないので。
まぁ中西は長身らしいので(だよね?)170後半かなーと。そしたら服も180かなと。
辰笠で笠井が誘いでもアリだったんだけどね。辰巳先輩の着ちゃったーvとかって。萌。
辰笠だと18センチ差・・・おぉ・・・

031219

 

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