あれして これして って、そんなにうるさく言ってないでしょ!
他のことはどーでもいいから、愛してってゆってるの。
女 王 様 に 敬 礼 !
「決めた!」
どうせろくでもないことだろう。辰巳が顔をしかめたのは無視して中西は声高らかに宣言する。
「俺はこれから女王様で行くから!」
「今まで何だったつもりだ」
「より上を目指して!ちょっとやそっとじゃお前にほだされない程度に!」
「好きにしろ」
「じゃあ早速。ちょっとコンビニまで走ってジュース買ってきて」
「…パシリか俺は」
「女王様のお願いよ」さぁ、と中西は迫る。辰巳はしばらく思案して、中西の手を取った。怯んだ女王様の目を見つめる。
「じゃあ一緒に」
「な、何で」
「一緒がいい」
「ッ────」
「ってとこでこいつに叩き起こされたの!」
「…あっそう」三上の嫌そうな顔に中西は足を踏みならす。
こいつ、と指をさされた辰巳も顔をしかめた。そんなに都合のいい夢を見ておいてなぜ怒られなけれはならないのか。「要するになんだ、俺をパシリにしたいのか」
「違うよ!女王様のように優しく扱ってほしいの!」
(その女王様のようにってのがわからないんだって…)
「そもそも辰巳は俺の扱いが悪すぎる!ないがしろにしすぎ!」
「どうしろってんだ…」
「優しくしてv」
「これ以上どうしろと」
「これが精一杯の優しさ!?」お前実は鬼畜なの!?中西の反応に腹が立つ。しかし詳しく説明してやる気もないので無視した。
「あ、三上先輩」
談話室に入ってきた笠井が中西の発する気に一瞬怯んだが、しかしそこは笠井。すぐに辰巳の姿も見つけて状態を把握し、いつものようにとばっちりを受けている三上を捕まえる。
三上があからさまにほっとしたので中西の怒りゲージは上昇することになったが、三上の知ったことではない。「先輩コンビニ行くって言ってましたよね、MD買ってきて下さい」
「あ、俺もう行ってきた」
「なんて?」
「だから、さっき帰ってきて」
「それが?」
「……また行けと?」
「強制はしませんよ?」
「……」いや、今はこの場から逃げる理由があるならなんだって。笠井から小銭を受け取って、三上はそういうわけで、と辰巳の健闘を祈って逃げ出した。笠井は玄関までは送ってやると言うテクニックを見せる。
ふたりのやり取りを中西はじっと見つめていて、辰巳が嫌な予感を感じないはずがなかった。「…辰巳×笠井なら…」
「おい」
「あっでもヤダ!幾ら笠井でも辰巳はあげれない!」
「ぐっ…」力一杯抱きつかれ、中西の無意識下で攻撃が決まる。むせる彼から少し離れ、中西はすがりついたまま辰巳を見上げた。
「…何」
「辰巳はどう?」
「……コンビニぐらいなら一緒に行ってやる」
「…」にやあと笑って中西がすり寄ってきて、手持ち無沙汰に辰巳はその頭に手を置いた。
「いーなー」
「ッッ…笠井!いっ、いつの間にッ…」
「今。仲良しですね〜」
「いえいえ笠井たちほどじゃなくてよ」
「さっきのが仲良しに見えるなら中西先輩も相当ですね」まぁ談話室ですからそこそこに。笠井のコメントに女王様のお付きは頭を抱えた。
…なんかこう…こう。
中西オンリの話をしててさーっと冒頭が頭を巡っていったので。しばらく置いといたらどんなネタにする気だったのか忘れてたよー060317
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