ノ ー ス リ ー ブ


「うーん・・・あんまり目に優しくないねぇ」
「・・・着せといて何ですか」
「日焼け痕が目に滲みる」
「みっともないと言ってやって下さい」
「ポッキー腕ね」
「はぁ・・・」

もういいや、と投げやりに笠井は溜息を吐いた。
中西は楽しそうにしている。
そりゃそうだろう、無理矢理服を着せされてその上で不機嫌な顔でもされたら不愉快極まりない。

「何でいきなり?」
「小学校の時ってサッカー少年はみんなノースリーブ着てた気がするんだよねー」
「そうでした?」
「うちの学校はそうだったなー」
「・・・じゃあ先輩も着てたんですか?」
「どうでしょう」

にこり。
この笑顔がタチが悪い。逃げられなくなる。

「俺も何着かは持ってたけどね」
「ふーん」
「因みにそれ着てたやつ」
「え」

含み笑い。
卑怯だ。
クーラーの効いた部屋の中なのに手の平に汗をかく。

「・・・ノースリーブとタンクトップってどう違うんですか?」
「・・・・・・どう違うんだろう」

考えたフリをしながらも、どうでもいいじゃんとばかりに中西は笠井の腕を捕まえる。
露出された二の腕は途中から色が変わっていてみっともない気がした。
水泳の時はある意味で勲章になるのだが、普段日常生活では余り有り難いモノではない。

「こんだけ景気よく焼けたら剥くのも面白そう」
「あ、却下、剥いたら本気で怒りますからね」
「はいはい。でも今は剥けてないから触っても良いよね」
「え、ぎゃっ」

肩口に触れた唇に咄嗟の悲鳴。
色気のなさに中西が笠井の上に崩れ落ちる。

「ちょ、先輩」
「お前、なにそれ」
「・・・・・・び、びっくりしたから」
「ホント、まいるなぁ」

ごめんねと笑いながら中西が笠井のTシャツを返した。

「勿体ないから少しでも面積隠しといて」

着せたのはあなたでしょうが。
反論してみれば、
見るのが俺だけならば良し。
との答えだった。

 

 


難し。
ノンスリーブとタンクトップの違いがよく分からないのですが。
ホントはおんなのこ(有希ちゃん)で書こうと思ったんですが中西が変態になりかけてやめました(十分変態)

040222

 

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