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「・・・間宮?」

前から歩いてくる、アレは多分間宮。
っていうか間違えようもないしな。
言っちゃ何だが会いたくなかったというか何というか・・・。

「あぁ、武蔵森の。・・・水野、アレ・・・連れてンの何?」

隣にいた小島が目を凝らす。

「「・・・トカゲ?」」

それは確かにトカゲに見えた。
犬か何かのように散歩紐をつけて、亀のようなペースで歩くトカゲを連れている。
ふと間宮が顔を上げて、目があった。
・・・睨まれた。と思う。っていうかよくわからん。
次に小島と目が合ったらしく、小島が気配に押されて中途半端に会釈をした。

今度は明らかに、小島を睨んでいる。

俺達にあったのがよほど不満なのか、間宮はトカゲを抱きかかえて走って元の方向へ戻っていく。

「何あいつー、失礼かもしれないけど気持ち悪〜」
「思いっきり言ってンじゃねーか」
「だってさー!」

しばらく口を閉ざして、うつむいて小島は言った。

「気分悪い」
「エ?」
「・・・久しぶりのデートなのに」
「・・・・・・・・・」
「ってアンタが照れないでよ!!」

好きだ。

言えないけど。
決して言葉に出来ないけど。
気持ちは伝わってるよな?





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