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「うわっと」
「あっごめんなさい!」

笠井が寮を飛び出した。
だけど出て数歩もしないうちに歩いていた人にぶつかる。

「大丈夫か?」
「あ、大丈夫です」

ぶつかられた奴が笠井の手を引いて起こした。
・・・金髪。
見覚えがある。

「・・・あ、桜上水の」
「ん?・・・そういやアンタ1軍におったな」
「笠井!」
「あっせんぱ・・・」

・・・そんな、バツが悪そうに人の顔見て。
悪いのは俺なんだから、はっきり言えばいいのに。
何で、言わない?

「・・・佐藤だよな、上水の」
「あー・・・何やっけ。そう、三上?」
「・・・合ってるけど。何でこんなトコにいんだ?」
「イヤー、たまたま通りすがりにこいつにぶつかってん」
「笠井」

一瞬躊躇してから、笠井は隣の佐藤に軽く会釈して階段を上がってくる。
佐藤が俺を見て笑った。

「あんま虐めよったら嫌われんで」
「・・・何のことだよ」
「あんま虐めたら大人しい猫かていつかキレんで」

「・・・は、余計なお世話だね。体験談?」
「まさか」

余計なお世話、だ。

だって虐めてるつもりなんかない。



俺はホントが聞きたいだけ






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