s c h o o l






誰でも良い。
 
誰かに会いたい。


誰でも良いと思っていても、あいつに会いたい。
大丈夫だって言って笑って欲しい。
大丈夫だって言って貰って安心したい。

無意識に足は桜上水に。


「・・・椎名か?」
「不破・・・」
「どうした。何故泣いている」
「・・・・・・シゲは?」
「さぁ・・・そのうち来るだろうとは思うが」

グランドには不破しか居ない。
がらんとしたグランドに、サッカーボールがひとつ転がっている。
どうしようもなく悲しみがこみ上げてきて、視界が涙に沈む。

「・・・・・・不破」
「何だ」
「・・・玲が死んだ」
「!?」
「交通事故だ。轢き逃げで。・・・俺の、目の前で」

呆気なく。
赤く染まった玲の白いシャツ。

「玲が言ったんだ」

赤くなった玲が言ったんだ。



生きて



「最後にそれだけ、言ったんだ」

涙が止まらない。
僕の何処にこんな水分があるのか判らない。
あれから何も口にしてない。出来てない。寧ろ井が空っぽになるまで吐いたぐらいだし。

涙なんてどうして出るんだろう。

何だか哀しくなるだけなのに。



「・・・椎名」
「え?」

「『プログラム』とは何の事だか知っているか?」

「・・・え?」
「その『事故』は、故意的なものだったら?」

故意的?
殺されたって?玲が?

ヤメロよ。
わざと考えないようにしてたんだから。




──────聞こえたのはヘリの音。







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a r E  Y o u  r e A d y ?

 

 

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